4世紀頃のローマ時代、ギリシャの若き王女であったと言われている
殉教の聖女フィロメナ(FILOMENA)と聖ジャン・マリー・ヴィアンネ司祭が
刻まれた、1900年初頭頃のフランスのアンティークメダイです。
傍らには殉教のしるしである棕櫚の葉と、古代キリスト教の象徴としての
船の錨が表わされています。
(キリスト教信者が迫害されていたローマ時代、錨の形が十字架に似ていた
ことから、十字架の代わりに祈りが捧げられていました)
聖フィロメナを崇敬していたアルスの司祭ジャン・マリー・ヴィアンネ(1786-1859)は
フィロメナのための聖堂を建立しました。
その後自らが重い病にかかったとき、聖堂でミサを100回捧げたところ病気が
治ったのはフィロメナへの信心のおかげであったとされています。
聖女フィロメナ・・1802年に、ローマのカタコンベ(地下墓地)の中から碑文が
刻まれた墓石と、フィロメナのものと思われる遺骨が見つかったことから、
それまで忘れ去られていたフィロメナの存在が再認識されたそうです。
こちらのメダイには、フランスの彫刻家エクスブライヤ(Etienne Victor) EXBRAYAT
(1879-1914頃)の刻印入り。(右側のSDは工房のサインだと思います)
1枚の絵画を見ているような本当に繊細で美しいメダイです。
大きさは直径1,5cm、素材は真鍮にシルバープレートとなります。