スペイン出土の17世紀頃(1600年代)のメダイです。
ROMAの文字が見えますので、ローマ巡礼の記念品として持ち帰ったものなのかもしれません。
片側にはフレームの中の聖母子と、それを支える二人の天使。
反対側は、茨の棘の冠が巻きついたキリストの御心(心臓)と悲しみの剣に貫かれた聖母マリアの御心。
上空には精霊を現す鳩が刻まれています。
18世紀以前のメダイの特徴であるカンの向き(縦方向)と、聖心具としての簡素で力強いつくりを有しています。
東京上野の国立博物館のキリシタン関係目録の中にも、当時のヨーロッパ、おもにスペインからの宣教師により
日本に伝わった同様のつくりのメダイが所蔵されています。(描かれているモチーフは様々です)
国立博物館の目録解説によると「16世紀後期〜17世紀初期」と表記されていますが、こちらのメダイの入手先からは17世紀のものと聞いています。
ブロンズのような金属製、大きさは2,3×2cm(上部のカンを入れると3,2cm)、しっかりとした厚みがあります。
出土品のコインやメダイに見られる金属の経年変化がありますので画像をご確認下さい。
歴史ある聖具の資料、コレクションにいかがでしょう。