ヨーロッパ出土品の18世紀頃（1700年代）のメダイです。（片側が聖母マリア、反対側はイエスキリスト）
これまでの出土品のメダイは主にスペインのものでしたが、今回のメダイはキリストの後光のところに百合の紋章が見て取れます。
百合の紋章はフランスの象徴でもあることから、こちらはフランスのメダイと推定されます。

18世紀以前のメダイの特徴であるカンの向き（縦方向）と、聖心具としての簡素で力強いつくり。
東京上野の国立博物館のキリシタン関係目録の中にも、当時のヨーロッパからの宣教師により日本に伝わった同様のつくりのメダイが所蔵されています。（モチーフは様々です）
国立博物館の目録解説によると「16世紀後期〜17世紀初期」と表記されていますが、当店の入手先からは17世紀のものと聞いております。

素材は鉄やブロンズ製と思われますが、出土品のコインやメダイに見られる金属の経年変化があります。
資料として、また歴史ある聖具としての価値をご理解頂ければ嬉しいです。

大きさは2.3×1.7cm、上部のカンの部分は0.3cmとなります。