イタリア、1900年代前半頃の十字架です。
キリスト像の足の下に小さなドーム状のスペースには、ローマのカタコンベの土が固めて納められています。
カタコンベとは・・・迫害から逃れた多数のキリスト教徒が隠れ住んでいた場所。(元々は古代ローマの地下墓地だったところ)
地下の内部には礼拝堂や墓地も作られ、現在でもローマには多数のカタコンベが残されています。
十字架上部のXPを組み合わせた文字はギリシャ語の「キリスト」の綴り字の最初の2文字を組み合わせたもので、キリストのシンボルです。
向かって右側にはお魚とカゴに入ったパン。(2匹の魚と5つのパンを、イエスの奇跡により5千人に分け与えた・ヨハネによる福音書6章5-13節)
左側は、オリーブの枝をクチバシにくわえた鳩。(ノアの箱舟物語では、オリーブの枝をくわえた鳩がノアの元へ帰還し、水が引いたことを知らせた・創世記8:8-12)
裏面には「ローマのカタコンベの土」の文字が刻まれています。
ローマへの巡礼者向けに制作された十字架で、もしかしたら本来はロザリオの先端に付いていたのかもしれません。
素材は真鍮にシルバープレート(銀鍍金)。大きさは4×2.4cmとなります。(上部の穴の部分は含まず)