聖母子（聖マリアと幼子イエス）と聖父ヨセフが刻まれた、1800年代中期〜後期のメダイです。
聖母の胸には御心（心臓）が輝き、ヨセフは純潔を表わすユリの花を手にしています。

それぞれの周りには、祈りの言葉が漢字で記されています。
聖母子の側・・・聖母瑪利亞為我等及異民的嬰孩祈（聖母マリア、我ら信者および他のはらからのために祈り給え）
ヨゼフの側・・・聖若必瑟中国大主保為我等祈（中国の大主聖ヨセフ、我らのために祈り給え）

中国や日本などの東洋のキリスト教徒への布教のために作られた、珍しい貴重な聖品です。
真鍮製。大きさは1.7×1.5cmとなります。

こちらと同じつくりのメダイは、19世紀にヨーロッパから日本に伝わった聖品の中のひとつとして
キリシタン関係の貴重な資料となっています。
東京上野の国立博物館のキリシタン関係目録の中にも、当時のヨーロッパ、おもにスペインからの宣教師により日本に伝わった同様のつくりのメダイが所蔵されています。
（下記参照）

以前、東京国立博物館本館にて「特集陳列 キリシタン－信仰とその証－」を見に行った際、
数々の貴重な聖品が特別展示されていました。