カトリックの司祭、聖ヴァンサン・ド・ポール(1581-1660)の聖遺物が納められた19世紀のルリケールです。
慈善と貧しいものへの奉仕活動、修道会、修道女会の設立などの功績により、1737年にローマ教皇クレメンス12世により列聖されました。
1833年にはその名を冠した慈善組織がフランスで創立され、現在は132カ国に広がっているそうです。
こちらの聖遺物(上部の四角い小さなもの)は、恐らく身に付けていた衣服や遺品に触れた布を小さく切り分け、膠で固定したもの。
金糸で装飾された内部は100数十年前のものとは思えない、素晴らしい保存状態です。
このタイプのルリケールは、片面がガラス張りで反対側が聖母や聖心などのモチーフであることが多く、今回のお品のようにガラスを覆うためのカバー(蓋)も付いているのは珍しいかと思います。
蓋があることで、光や湿気、隙間から入り込む細かな埃などからしっかり守られてきたようです。
表面、裏面は「不思議のメダイ(奇跡のメダイ)」のモチーフです。
マリア様の足下の1830はこちらの制作年ではなく、不思議のメダイのマリア様のお告げのあった年。
こちらのルリケールは、1833年の慈善団体創設以降の1800年代中期〜後期に信者向けに作られたものと聞いています。
裏面の二つの御心(聖母とキリスト)を取り囲む星は、不思議のメダイでは12個(12使徒)ですが、こちらは22個。これについての理由は謎です。(不思議のメダイの定義が定まる前?)
純度は不明ですが銀を含む金属製。
大きさは3.2×2.7cm、厚みは0.9cmあります。上部にリングも付いていますのでチェーンや革紐を通すことができます。
*こちらのお品物は1万円以上ですので、ゆうパックの送料、代引きの場合の手数料も無料です