ローマ教皇ピウス10世(在位期間1903-1914)、左下はローマ皇帝として初めてキリスト教徒となったコンスタンティヌス1世。右側はその母のヘレナが刻まれたメダイです。
聖ヘレナは、60歳を過ぎてキリスト教徒となり、324年の聖地エルサレムへの巡礼の時にイエスキリストが磔になった時の十字架を発見したとされています。
裏面に刻まれたラテン語の記載から、こちらはコンスタンティヌス1世により信教の自由を定めた平和勅令(ミラノ勅令)が発布された313年から1600年を記念して制作された記念メダイという事が分かります。
ピウス10世の左下と右下には、アラビア数字のCCCXIII(313)とMCMXIII(1913)の小さな刻印。
在位期間中の1913年がその年だったのですね。
裏面はその勅令が制定された場面を表していると思われます。
高く掲げられた旗(表面ではコンスタンティヌス帝が持つ旗)には、今ではお馴染みとなっているXP(キリストを表すギリシャ文字がラテン文字に変化したもの)の文字が刻まれています。
この「XP」は、ローマ帝国の軍旗としてコンスタンティヌス1世が初めて使用したと伝えられています。
こちらのメダイは同時代に活躍した彫刻家KISSINGの手によるもの。表側の右端に小さくサインが入っています。(当店では生セシリアのメダイで何度かお取り扱い致しました)
今年はこのメダイが作られてからさらに110年目。なかなか意味深い聖品です。
素材は真鍮にシルバープレート(銀鍍金)。
摩耗が見られる箇所でも地金の色が見られませんので、かなり厚みのある銀鍍金のようです。
大きさは直径2.2cm。リングは切れ目がありますので後年のものと思われます。






