フランスの1800年代半ば〜後半頃、ナポレオン3世時代に流行したオニキスのロケットです。
十字架と縁の金属部分はゴールドプレート(金鍍金)。
中を開くと、飼い葉桶の幼子イエスキリストの紙片の下に何らかの遺物が納められています。
黒く光る樹液か蜜蝋のようなもので固められているものが何であるかは分かりませんが、
恐らくこちらのロケットはモーニングジュエリーとして作られたお品と思われます。
モーニングとは「グッドモーニング!MORNING、朝」のことではなくMOURNING、「喪、哀しみ」の意味。
アンティークジュエリーがお好きな方はご存知かと思いますが、大切な人の髪の毛などを
宝石の奥にしのばせたり、ロケットに納めたりしたアクセサリーのことです。
幼子イエスの紙片が一緒に入っていたことから、小さな子供の遺品だったのかと想像されますが、
もちろん知る術はありません。
厚みのあるブラックオニキスが表裏両面に使用された贅沢なロケットです。
尚、表側の十字架の左右両側に引っかいたような傷が、その他小傷もあります。
画像にてご確認下さいませ。
大きさは2,5×2cm、厚みは1cmほどあります。