
4世紀頃のローマ時代、ギリシャの若き王女であったと言われている、殉教の聖女フィロメナ(FILOMENA)と、
聖ジャン・マリー・ヴィアンネ司祭が刻まれた1800年代末頃のメダイです。
リングを通す穴の横のくぼみが、フランスの銀製品を表すホールマーク。
こちらは「蟹」のマークで、パリ以外の地域で製作された銀製品であることを示しています。
1802年に、ローマのカタコンベ(地下墓地)の中から碑文が刻まれた墓石とフィロメナのものと
思われる遺骨が見つかったことから、それまで忘れ去られていたフィロメナの存在が再認識されたそうです。
聖フィロメナを崇敬していたアルスの司祭ジャン・マリー・ヴィアンネ(1786-1859)は、
フィロメナのための聖堂を建立しました。
その後自らが重い病にかかったとき、聖堂でミサを100回捧げたところ病気が治ったのは
フィロメナへの信心のおかげであったとされています。
メダイに刻まれている「CURE D'ARS」はアルスの司祭であることを意味しています。
フィロメナの頭にはバラの花冠、手には純潔を表すユリの花、もう片方の手に握られている
円形のものは、キリスト教徒が迫害されていたこの時代、禁止されていた十字架に代る
祈りの象徴として用いられていたという船の錨の上の部分。
(錨の形は十字架に似ていますね)
メダイでは全身が表されていませんが、添付のフィロメナの御絵を見て頂くと分かりやすいと思います。
大きさは1,7×1,4cmとなります。