
フランス、1800年代中期〜後期の大きめの木製十字架です。
木を浅彫りしたところに虹色に輝くマザーオブパール(真珠母貝)を埋め込んだ象嵌細工(インレイ)であるこちらは、聖品であるとともに工芸品とも言えます。(日本の螺鈿細工にも近いと思います)
こちらの十字架にはキリスト像は打ち付けられておらず、その代わりに受難具を埋め込むことでキリストの磔刑を表しています。
上部から一つ一つ説明しますと・・
最上部の「INRI」の文字は、ラテン語で「ユダヤの王であるナザレのイエス」を意味するIESUS NAZARENUS REX IUDAEORUMのそれぞれの頭の文字を刻んだもの。すなわち、イエスキリストの罪状書が十字架の上部に打ち付けられていることを表しています。
中央はキリストが被られた茨の棘の冠、右は金槌、左は釘抜き。
冠の下には、やりで突かれた傷から滴り落ちる聖血を受ける聖杯、手足を打ち付けた3本の釘、キリストの胸を突いた槍と、酢を含ませた海綿を先端に取り付けた棒。
左右の側面は片側には十字架からキリストを下ろす時に使った梯子、反対側はおそらく兵士が持っていた松明?かと思われますが、こちらだけははっきりとは分かりません。
この十字架がさらに珍しいのは、下の部分に真鍮製の聖母マリアの「不思議のメダイ」が付けられている所。
メダイの下に、1830(不思議のメダイのお告げの年)の年号が入っていない、初期の時代の不思議のメダイと思われます。
十字架全体の大きさは19×10cm、厚みは1cmです。
上部の横方向に通した穴には銀製のチェーンが通してあります。
マザーオブパールに欠けのある箇所もありますが、年代を考えればとても良い状態だと思います。
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