楽器を奏で歌を歌いながら神を賛美したことから、音楽の守護聖人として知られる聖女セシリア(2世紀頃)。
殉教の時の姿を表した、19世紀の大きな石膏像です。
聖セシリアの聖遺物(遺体とされています)は、はじめはローマのカタコンベ(サン・カリストCALLISTIのカタコンベ)に葬られていましたが、1599年にサンタ・チェチーリア・イン・トラステヴェレ教会(4世紀に創建され、その後9世紀に再建)に移されました。
ルネサンス期の彫刻家ステファノ・マデルノによる聖セシリアの大理石像が製作されたものこの頃。
聖遺物(遺体)を移すためにセシリアの墓が開けられた1599年に「私が目にした聖セシリアの姿を偽りなく再現した」と、この彫刻家が宣誓した石版も残されているそうです。
(2世紀以降、1599年の時点でその遺体は腐敗することなく残されていた、ということになりますね)
手首を縛られ、3度の斬首に耐え3日間生き延びた末に亡くなったという聖セシリア。首にはその3本の傷跡が刻まれています。
2体制作された大理石像の一体はサンタ・チェチーリア・イン・トラステヴェレ教会に、もう一体の像は当初の墓であったサン・カリストのカタコンベに置かれています。
下記の最初の画像は1900年代前半頃のカタコンベ内部の聖セシリア像。その下の画像はサンタ・チェチーリア・イン・トラステヴェレ教会の中の像です。
3枚目は当店で1度だけ扱った同じテーマのメダイ。こちらもなかなか見つからない貴重品でした。
台座の表側にはSte Cecile(聖セシリア)、後ろ側に刻まれた文字は「F.D. Monna Toulouse」。
こちらはフランソワ・ドミニク・モナ(1849-1907)により、1880年代にフランストゥールーズに設立された工房の作品であることを示す刻印です。(底面にも同様の小さな金属プレートが埋め込まれています)
「テラコッタ、石、木、大理石の宗教彫像、祭壇、説教壇、十字架等」を制作していた工房だそうで、今回ご紹介のこちらは1800年代末に作られたもの。
創業者の死後1929年に「Trinqué-Monna」となった同社は、1972年に完全に閉鎖されました。
大きさは29×15×(高さ)12cm。
当店で扱ってきた台座付きの像では最も大きなお品だと思います。
石膏製で、重さは2キロほどと大変ずっしりとしています。
台座の角などに小傷や色剥げなどはありますが、セシリアのお顔や指先、足の指にも大きな欠けはありません。(セシリアの目がうっすらと開いているような・・)
ヨーロッパでは特に人気の高い聖女セシリア。ぜひこの機会にいかがでしょう。
*こちらのお品物は1万円以上ですので、ゆうパックの送料、代引きの場合の手数料も無料です