フランス1900年前後、信心深く慈愛に満ちた母親として敬愛される聖アンナのシルバー製メダイです。
リングを通す穴の下の刻印は、パリで製造された銀製品を示す「横向きのイノシシの頭」となります。
聖マリア(キリストの母マリア)と、その母の聖アンナ。
こちらは有名な「少女マリアに読み書きを教える母アンナ」の場面。
母アンナの膝に置かれた書物に聖マリアが手を添えています。
裏面はイエスとマリア、それぞれの御心(心臓)です。
イバラの棘の冠が巻きついたイエスの御心(左側)は透かしデザインのため半分くり抜かれています。
両面ともに細部まで大変手の込んだ銀のメダイです。
新約外典「ヤコブによる原福音」による伝承では、アンナと夫のヨアキムは老齢に達するまで子供がなく、初めての子供を授かることを天使から告げられました。
アンナは子供を神に捧げることを約束し、3歳に達したマリアをエルサレム神殿に奉献し神に感謝したそうです。
ヨーロッパや北米では聖アンナは大変人気のある聖人の中のひとりで、聖アンナに捧げられた教会や聖堂も多数存在します。(出産の守護聖人としても知られています)
聖アンナに捧げられた教会では、北米最大の巡礼地であるカナダモントリオールのサン・タンヌ・ド・ボープレが有名ですが、フランスではブルターニュ地方のオーレという町のバジリカがヨーロッパにおける聖アンナ信仰の最大の巡礼地として知られていて、こちらはそちらにまつわるメダイかもしれません。
大きさは2.2×1.3cm(上部の穴の部分は含まず)、リングは0.4cmとなります。