フランス1800年代中期〜後期、ナポレオン3世時代のパピエマシェ(ペーパーマシェ)の小箱です。

1700年代にフランスで考案された素材パピエマシェとは、煮溶かした紙にニカワ（膠）、塩などを混ぜ圧縮し形成した工芸品。
形成、加工がしやすく、建築物や家具の装飾品、小物入れ、トレイ、など様々なものの材料として19世紀に一般に広まりました。

浅彫りしたところにアバロン（アワビ貝の内側の虹色に輝く部分）と恐らく銀をひとつひとつ埋め込んだ象嵌細工（インレイ）。
日本では螺鈿（らでん）細工という言い方のほうがわかりやすいかもしれません。
艶と光沢のある質感は漆のような手触りです。

こちらの小さな箱は本来は嗅ぎタバコ入れだったもの。
これまでに様々な素材の嗅ぎタバコ入れを扱ってきましたが（水牛の角、木、錫、銀など）、手間のかかった美しさではこちらの象嵌細工はトップクラスだと思います。
パチンと音を立ててしっかりと閉まりますので気密性もあります。
大事なものの収納にいかがでしょう。（画像ではメダイやクロスを入れてみました）

大きさは6×2.7×高さは1.8cmです。

＊こちらのお品物は1万円以上ですので、レターパック、ゆうパックの送料、代引きの場合の手数料も無料です