信心深く慈愛に満ちた母親として敬愛される、聖アンナと少女の頃の聖マリアのメダイです。
フランスの1800年代後期頃のお品。

聖マリア（キリストの母マリア）と、その母の聖アンナ。
こちらは有名な「少女マリアに読み書きを教える母アンナ」の場面となります。
母アンナの膝に置かれた書物にマリアが手を添えています。

新約外典「ヤコブによる原福音」による伝承では、アンナと夫のヨアキムは老齢に達するまで子供がなく、ある時天使から初めての子供を授かることを告げられました。
アンナは子供を神に捧げることを約束し、3歳に達したマリアをエルサレム神殿に奉献し神に感謝したそうです。

ヨーロッパや北米では聖アンナは大変人気のある聖人の中のひとりで、聖アンナに捧げられた教会や聖堂も多数存在します。
フランスブルターニュ地方のオーレという町にある聖アンナ教会は特に有名で、ヨーロッパにおける聖アンナ信仰の最大の巡礼地ですので、そちらにまつわるメダイかと思われます。

大きさは4.3×3.5cm。
真鍮のメダイプレートに枠をはめ込み、裏側を1枚の革で閉じた丁寧な作り。
軽く仕上げてあることから、赤ちゃんの健やかな成長を願う「ゆりかごのメダイ」として制作されたお品かもしれません。（聖アンナは出産の守護聖人としても知られています）